脂質の取り過ぎ

 脂質は、常温で固体の飽和脂肪酸と液体の不飽和脂肪酸に分かれます。飽和脂肪酸は、肉やバター、ラードなど魚以外の動物性脂肪に多く含まれています。一方、不飽和脂肪酸は人間の体内でつくることができる一価不飽和脂肪酸と、つくることのできない多価不飽和脂肪酸に分類されます。一価不飽和脂肪酸の代表はオリーブオイルに多いオレイン酸です。
 多価不飽和脂肪酸にはオメガ6系とオメガ3系があります。いずれも食事で取る必要のある必須脂肪酸です。オメガ6系の代表は、大豆油やコーン油といった植物油に豊富なリノール酸です。ちなみにサラダ油は、オメガ6系の植物油を精製したものです。一方、オメガ3系の代表例はイワシやサバ、サンマなど青魚の油に多いドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)です。さらにエゴマ油やアマニ油に豊富なαリノレン酸もあります。注意しなければならないことは、オメガ6系とオメガ3系の摂取バランスです。どちらも必要ですが、このバランスの乱れが生活習慣病のリスクにつながります。そのため、オメガ6系を2に対しオメガ3系は1の割合が望ましいとされています。

  

(2016年9月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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