待機児童が減らないのは、共働きの家庭が増えているからです。国の調査によれば、1997年以降専業主婦世帯を上回り、2015年には1,114万世帯に達しています。様々な社会変化が影響し、保育所を作って定員を増やすと、新たに子どもを預けて働きたいと考える女性が増え、定員が入所希望に追いつかない、いたちごっこが続いています。
かつて日本では当たり前だった終身雇用という働き方が変わりつつあります。安定した昇給も難しくなり、夫婦ともに家計の担い手として働くのが一般的になっています。少子化により人口が減り続けるのに伴い、労働力人口は減少し、国も企業も女性を貴重な労働力としてとらえています。
(2016年7月9日 読売新聞)
(吉村 やすのり)