児童虐待

 児童相談所(児相)が対応した児童虐待が、2015年度に初めて10万件を超えました。総件数は25年連続で過去最多を更新しています。暴言や脅しで子どもの心を傷つける心理的虐待が増えたことが影響しています。長年にわたり最も多かった殴る・蹴るなどの身体的虐待を2013年度から上回っています。
 2006年度以降、虐待件数の総数は2.8倍となり、そのうち心理的虐待が7.6倍と急激に増えています。虐待に対応する児相の体制は脆弱です。心理的虐待は、他の虐待に比べわかりにくいことが特徴です。家庭内で配偶者に暴力を振るう行為を子どもが見聞きすることを面前家庭内暴力(DV)といいます。この面前DVは、子どもに身体的虐待と同様に心の傷を負わせることになります。この面前DVは、心理的虐待にあたります。虐待を防ぐため、ひとり親や夜間就労者、DV被害者といった様々な家庭の事情に即した支援を、身近な場所で受けられる体制整備が求められています。

(2016年8月5日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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