企業で働く弁護士は、法律事務所からの転身が多くなっています。法律事務所の弁護士は基本的に自営業で、個人的な繋がりで顧客を抱えるスタイルです。一方、企業内弁護士であれば、法律の専門家という立場に加え、ビジネスの当事者として大きな仕事を担うことができます。現在、企業内弁護士1,707人のうち、女性が40.4%を占めています。10年前に比べると8.2ポイント、642人増えています。弁護士全体に占める女性比率は18%ですので、女性企業内弁護士が多いことがわかります。
企業で働く女性弁護士が増えた背景には、ワークライフバランスを保ちやすいことがあります。専門性の高い仕事と家庭を両立させる人も少なくなく、他の業種で活躍する女性たちと相通じるものがあります。女性弁護士は、男性ばかりの職場では見えにくかった視点を示すことができ、多角的な視点が求められる法務部門に、女性が加わるメリットには大きいものがあります。
(2016年9月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)