ジェネリック医薬品とは

 新しくつくられた薬を先発医薬品と呼ぶのに対し、別の製薬会社がその薬と同じ量の同じ有効成分を使ってつくった薬を後発医薬品、ジャネリック医薬品と呼びます。欧米では医者が薬を処方する際に、有効成分の一般名で処方しており、英語で一般名を意味するジェネリックネ-ムから名付けられています。新しい薬の開発には、通常10年以上の時間や数百億円規模の研究開発費がかかります。しかも、莫大な研究費をかけても製品化される薬品はごく一部に過ぎません。そのため、類似の薬品の製造を禁止する意味で、新薬には特許期間が設けられています。開発した会社が特許を出願した後、最長25年間は独占的に販売できます。後発薬は、この特許が切れてから製造されることになります。
 後発薬メーカ-は数千万~1億円ほどで製品化でき、価格は一般的に先発薬の56割と安く設定されています。しかも開発する期間も短縮することができます。現在厚生労働省が後発医薬品の普及を促進しています。厚労省は、膨れ上がる医療費を抑えるため、20139月時点で5割弱の普及率(数量ベ-ス)を20年度末までに8割にまで上げる方針を示しています。これで、年間13千億円の医療費の抑制につながります。70歳未満の原則3割の窓口負担も軽くなります。効能や効果を担保するため、厚労省は主成分の血液中で濃度変化が先発薬と同じことを確認した上で販売を承認しています。しかし、質が担保されていないとの声もあり、抵抗感を持つ人はいます。外国で普及が進み、米国の普及率は9割にも達しています。

(2015年6月11日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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